その他体験談


◆捨てられていた妊婦のハムスター



ハムスターを取り扱ってないペットショップでの出来事です。
ある日、ショップの入り口に『ハムスターの里親募集』と書かれた紙が貼られていました。
このショップは、以前はハムスターもいたのでよく覗いてたんですが、オーナーが代わってから犬猫専門になったお店です。
なので『？』と思い入ってみました。

あのー、貼り紙見たんですけど、里親募集って・・？
「あ、はい。この子達なんですけど・・・」

小さいプラスチックケースの中に４匹の仔ハムちゃんがいました。
それだけならそんなに驚かないのですが、この仔達、まだ目が開いてなかったんです。

え・・これってどういうことなんです？ママハムちゃんは？なんで里親を募集してるんですか？
「それが、１０月に入ってすぐくらいに店の前にメスハムがケージごと捨てられてまして。
放っておくわけにはいかないし、飼い主さんも思い直して引き取りにきてくれるかもと思って育ててたんですけど、３～４日経った頃に赤ちゃん産んじゃって・・」

・・・ママハムちゃんは？まさかママハムちゃんだけ飼い主さんが連れて帰ったとか？
「母親は２日前に亡くなりました。」

え？！亡くなったって・・？
「原因はわかりません。店に来て見たらもう冷たくなってました・・」

そうだったんですか。赤ちゃんは最初から４匹だったんですか？
「いえ。出産してることに気付いたときは６匹でした。バイトの子が昨日２匹連れ帰って育ててます。」

えっと・・・・そしたらこの仔達、生後どれくらいになるんだ？<
「２週間ちょっとですね。」

ですよね。本来ならまだ親離れできてない時期ですよね。ママいなくて大丈夫なんです？
「正直わかりません。自分達も経験ないし人工保育も・・バイトの子が他にも３匹ハムスター飼ってて、その子が言うには、もう離乳も始まってるしギリギリ大丈夫なんじゃないかと。」

そうですかぁ・・。このままここで育ててあげることができないから販売もできないしってことで募集してるんですね？
「そうなんですよねぇ。オーナーがちょっと・・・ねぇ・・・」

この子達、目が開いてないわりにすごく大きい気がするんですけど・・
「ゴールデンですからね（笑）」

えっ！ゴールデンの赤ちゃんってこんなに大きいんですね！もう大人のロボちゃんくらいある・・
（この頃私はまだ、ゴルハムの赤ちゃんを見たことがありませんでした）

引き取るからにはみんな一緒に引き取ってあげたい。けどウチにはすでに１１匹のハムちゃんがいるし・・・
少し考えてまた来ます。とその日はそのまま帰りました。

それにしても、どんな事情があったかはわからないけど捨てるなんて信じられません。
ましてや朝晩もう十分冷える時期に妊娠してるハムちゃんを・・。
唯一救いだったのはペットショップの前に置いてあったということ。
誰か拾ってくれ、じゃなくて、より確実だと思えるショップの前に。
投げやりな捨て方ではないその飼い主さんはきっと、お客のフリをして様子を見にきてたんじゃないかなぁと思いますがどうなんでしょうね。
とはいえ『捨てた』ことに変わりはないし、これで命を守ったつもりになってもらっても困ります。
どうしてこんなことが起きるのか・・

仔ハムちゃん達は皆、ママがいないなんて思えないくらいコロコロしていました。
ママハムちゃんはきっと、ギリギリまで頑張ってたんですね。
自分がいなくなっても赤ちゃんが皆、ちゃんと育つようにと・・ママハムちゃんの気持ちを考えると、胸がしめつけられます。
引き取ってあげたい！でもほんとどうしようって感じでした。

ママハムちゃんが亡くなった原因が不明である以上、仔ハムちゃん達が健康体だとは言い切れません。遺伝や食糞で、なんらかの病気をもってるかもしれない。
だからなおさら、良い飼い主様に巡り合えるか心配で・・

いくら離乳が始まってるとはいえ、母乳がなくても無事育つのかな・・もし初心者さんにもらわれた場合、異変に対応できるのかな・・なんてことばかりぐるぐるぐるぐる頭を巡ってました。
かといって私もまだまだ修行中の身なのですが。

みんな引き取るとなると合わせて１５匹。ゴールデンだからスペースも丸々４匹分プラス。
スペースはギリギリなんとかなったとしてもお世話ク オリティーは下げたくないし、その頃の我が家には腫瘍で闘病してる子も居ました。
来春にはゴールデンの長毛の男の子をお迎えしたいと思ってたから、めいっぱい頑張っても１３匹が限度かなとか、一旦みんな引き取って私が里親さんを探せばいいのかなとかやっぱりみんな引き取って頑張って育てようかとか。
ほんともう、どうしよう！どうするのがいいんだろうって感じでした。

結局私がお迎えしたんですが・・
４匹の仔ハムちゃんたちは男の子が３匹、女の子が１匹でした。
うち２匹の男の子は、ともにジアルジアが発端で短い生涯を閉じました。

残った２匹の子たちは今１歳４ヶ月齢。
ママと兄弟の分まで、いっぱい幸せになってほしいです。

 

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