その他体験談


◆ペットショップであった話・おもちゃ化



ここに挙げているのはあくまで一例です。
すべてのペットショップがこうだというわけではありません。
また逆に、これら以外にも辛い経験をされた方がいらっしゃるのも事実です。

本章の主旨は

* ずさんな飼育をしてるペットショップから正しい飼育法は学べない
* そのようなショップの店員に相談しても問題は解決はしない
* 『ペットショップからお迎えする』ことについて考える
* こういう現実も実在する

ということを知っていただきたいと願うものです。
下記記事を読んで、一度じっくり考えてみていただけたらと思います。


買い物などで外出をすると、必ず立ち寄るペットショップがあるんですが、年明けお年玉をもらった子達が見にくるのでは
ないかと変にそわそわした私達。
見に行ってみると、案の定いつもの何倍もの親子連れの姿がありました。

人気が引いたので奥に入ってみると、里親募集の紙が貼られた水槽が目に入りました。
もう成ハムになってるゴールデンのダルメシアンの女の子でした。
『誕生日不明。首が傾いていますが健康に害はありません』と書いてあります。
その子は回し車もご飯皿もない水槽の中に散らばっているペレットを、一生懸命拾い集めて片目瞑ったまま食べてました。
食べてる時はわからなかったけど、走ると斜頚なのがよくわかりました。

『連れて帰りたい・・・』私も娘達も同じ気持ちでした。
あろうことか私は、娘達の買い物の運転手として付き添いで出てきたため財布を持ってきておらず、連れて帰るにも用品を買い揃えれないことと
連れて帰ってからのスペースのことを考えて悩んでしまいました。
事情もちのハムちゃんだけに、すぐに里親さんが見つかるとも思えなかったため、一旦財布を取りに帰ってまた来ようと話していた矢先
3歳くらいから小学生くらいまでの6人兄弟を連れた賑やかしい家族が入ってきました。
3歳くらいの女の子は、ハムちゃんが欲しいとすでに泣きじゃくっています。

5~6歳くらいかと思われる女の子が、店員さんに『この子いくら?』と尋ねました。
店員:『この子はタダですよ~』
女の子:『お母さんこの子タダだって!タダならいいよね!この子でいいじゃん!』
お母さん:『じゃあこの子ください』
店員:『ありがとうございます』

その親子はそういうと、すぐ入り口から出て行って何やら話していました。
子:『あの子オスだよね。じゃあメスも買おうよ。そしたら赤ちゃん産むよ』
母:『一緒に飼えるの?』
子:『うん、一緒に飼えるから家もひとつでいいよ』
母:『じゃあ飼おうか』
別の子:『あの鳥も欲しい!!』
母:『鳥はダメ!ウチには○○(犬)が居るから危ない!』

ちょっとどこ見てるのよ。この子は女の子よ?しかも一緒に飼う?とんでもない!!
そのうえ犬も居る?鳥がダメなくらい危険な犬ならハムスターだってダメ!!
話しを聞いてしまった私は軽率なお母さんに手が震えました。

『店員さん!この子私がもらいます!』
と言っても時遅く『あちらの方が先でしたので』と店員さんに言われました。当然ですね・・

『すみません、あの子私に譲っていただけませんか?』と母親にもちかけるも
『この子(1番下の子)が欲しがってしかたないので・・』と断られました。

『店員さん!飼い方をちゃんと説明して!必要な用品もちゃんと購入してもらって!』
気が付けば私は店員さんに向かって怒鳴ってました。
店員さんはにこやかに『あぁはいはい』と言って親子のところへ行きました。

斜頚というハンデを背負ったハムちゃん。
なぜここで里親募集をすることになったのか事情はわからないけど、少なからずブリーダーや飼い主に見放されたからなんでしょうね。
逆に考えれば、捨てられたり最悪の結果にならなかっただけよかったのかもしれません。
だからってどんな飼い方してもいいわけじゃないですよね。

店員さんは
『あんまり触ると弱っちゃうのでおもちゃにしないようにしてくださいね。
最後まで可愛がってくださいね』

とだけ言ってました。
間違ってはいない。けど初心者さんにはそれだけじゃ足りないんだよ。
ましてや子供がたくさん居るご家庭なのに・・

また中に入ってきた男の子が、もう1匹メスのハムちゃんを買おうと言ってるのを聞いて私は『ケンカして死んじゃうから同じケージで飼うのは絶対ダメ!』とまたしても怒鳴ってしまいました。
男の子は私のことを不審に思ったのか、同じことを店員さんに聞きました。
すると店員さんは
『最初は一緒に飼わない方がいいけど落ち着いたら一緒に飼ってもいいですよ』と。

『店員さんが間違ったこと教えてどうするの!』
場所もわきまえず怒鳴りまくってしまった私に驚いて、他のお客さん達は居なくなってしまいました。営業妨害と言われればそれまでです。

たとえばオーナーなら、買ってくれればいい、貰ってくれればいいの考え方でも仕方ないのかもしれません。
でも店員さんは少なくても動物が好きで就いた仕事なんじゃないの?
なんで最低限の知識も学んでくれないんでしょう。

店員さんはその親子に備品を案内し、ひと段落ついた後、最後に
『ご心配かけましたねぇ。ハムスターは歯が強いからケンカしますよねぇ』
と私に言いました。
『歯が強いからケンカする?そうじゃないでしょう・・』
もう言葉が出ませんでした。娘達も悔しくて泣いてます。

その親子がどんな備品を買ったのかが気になり、レジまで行ってみました。
こうなるともう軽くストーカーです。
ケージは1番小さいサイズの金網タイプのを2つ。ハウスと給水器はケージに付属してるからいいとしても、ご飯はひまわりの種のみ。
床材はアレルギーの出やすい針葉樹のチップという、初心者さんに多いパターンの組み合わせでした。
ケージを2つに増やしたこと以外、結局店員さんは何も伝えてないもしくは伝える知識が
なかったことがわかります。
私は至急レットを2種類と、より安全な方の床材を購入してその親子を追いかけて急ぎ早に注意事項を伝え、一緒に電話番号とアドレスを書いた紙を渡しました。

『なんかしらんけどもうけたね。それにしても怖いおばさんだったねぇ。』
去り際に聞こえてきたこの会話は聞かなかったことにしても、心配は尽きません。

なんで私はあの時迷ってしまったのか。私が迷わずに里親を申し出ていれば・・
未だ何の連絡も入って来ませんが、もう祈るしかありません。
我が家にお迎えしたからといって、たくさんのハムちゃんが居る中で果たして幸せだと思ってもらえるかはわからないけど、めいっぱいの愛情だけはあります。
こんな私は、周りから見ればただのハムスターバカにしか映らないのかなとか思ったり。
ハムスターに限らず、大切なことをを知ってほしいだけなのにな。
自分の非力さがつくづく身に染みた一件でした。

 

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